星のしずく

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熨斗(のし)と水引(みずひき)

「熨斗(のし)と水引(みずひき)」

4つは新入学、就職、引越しなど、気持ちも新たにスタートする季節ですし
春はお祝いやお返しの贈答が増える季節ですねっ

そこで「熨斗(のし)と水引(みずひき)」について調べてみました。
ご参考にさればいいのですが・・・

贈答の際、品物の上にかけて用いる紙を熨斗紙(のしがみ)又は懸紙(かけがみ)といいます。
慶事(けいじ)の場合には紅白の水引と右肩に熨斗がありますが、弔事(ちょうじ)の場合には
黒白、青白、銀白などの水引のみで熨斗はありません。
お金を包む場合の祝儀袋、香典袋も同様です。

○熨斗(のし)

熨斗(のし)とは、火熨斗(ひのし)でのした「熨斗鮑(のしあわび)」を略したものです。
古く、贈り物とは神様への供物のことであり、新鮮な肴(魚介類)を神様にお供えするということでした。
なかでも鮑(あわび)を供えるのは特別高級なことでしたが、貴重品の鮑が常に手元にあるわけではありません。
そこで鮑の肉を薄くそぎ、火熨斗(ひのし)を使って平らに伸ばしたものを代用し
「肴を添えてお贈りいたします」という意味を表したのだそうです。

熨斗(のし)には「伸ばす」という意味が含まれているので祝い事のときには「縁を伸ばす」ということで使われますが
弔事では「引き伸ばす」という意味を嫌うとともに、生ぐさ物も嫌われるので熨斗は使いません。
慶事であっても贈り物の中身がなま物(鰹節やするめなど)のときには、表につけた鮑と意味が重なるので
熨斗はつけなくてもいいそうです。

○水引(みずひき)

水引の歴史も古く、飛鳥時代、聖徳太子の命を受けて隋(ずい:中国)に渡った小野妹子(おののいもこ)が
帰朝する際、隋国より日本の朝廷に贈られた贈り物に麻を紅白に染め分けた紐(ひも)がかけられていたのだそうです。
帰途の海上安全を祈願するとともに、贈り物が真心のこもったものであることを表しているといわれ
以来、宮中では献上品を紅白の麻紐で結ぶ習慣が広がりました。
麻紐の当時は「くれない」と呼ばれていましたが、平安時代から室町時代にかけて、和紙をよってコヨリにし
上から糊を引き、乾燥して水を引き、また糊を引くという製法ができあがり「水引」という名になったのだそうです。

その後、水引は髷(まげ)の髻(もとどり)を結ぶ元結(もとゆい)として使われるようになったため
全国的に普及しました。
江戸時代になると、一般庶民の間でも贈り物をするときに水引をかけ
「これは清廉潔白な品物です。安心してお使い下さい」と
中身をしっかり結び止めるという意味あいの風習が定着したのだそうです。

水引の結び方は用途によって2つに大別されます。
一つは「花結び」(蝶結び)といい、結びの両端を引くとほどくことのできる結び方で
何度繰り返してもよい一般的なお祝い事であることを示しています。

一方、「結び切り」(こま結び)は一度結んだらほどくことのできない結び方ですから
「二度と繰り返すことがないように」という意味が込められ結婚・結納、弔事や病気見舞いなどは
こちらの結びかたになります。
また、僧侶へのお礼や火事・災害見舞い、月謝、キリスト教式の葬儀などには水引を用いないのが一般的です。

さて、祝儀袋や不祝儀袋にお金を包み、いざ水引をかける段になって
「あれ?上包みの折り返しはどちらが上になるんだろう?」と思われたことはありませんか。
この折り返しは慶事には下側を上側にかぶせます。万歳(バンザイ)をしている形と覚えればいいのだそうです。
逆に弔事には上側を下側にかぶせ、うなだれていると覚えるのだそうです。

○表書き

昔は、人に物を贈るときには目録をつけて、中身が何かをわからせるのが決まりでした。
現在の表書きはその習慣が簡略化されたものです。ですからよく使われる「粗品」や「寸志」は
本来の意味からははずれてしまうのですが、奥ゆかしい日本人の感性としては充分通用する便利な書きかたです。

表書きは本来の主旨からするとお菓子を贈るなら「御菓子」と書き、「お菓子でも買ってください」と
いう気持ちでお金を包むなら「御菓子料」とし、下段には数量(例えば「一」)や金額(例えば「壱万円」)などと
記入するのだそうです。しかし、数量や金額を書くのには抵抗があり、すたれてしまいました。
現在では中央に姓名を書くのが一般的となっています。

なにはともあれ、贈り物に一番大切なのは「気持ち」ですよね。
心の伝わる気持ち良い贈り物がしたいものですね (^-^)


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